株式会社の株式は、原則として会社の承認無しで自由に譲渡することができます(会社法第127条)。
但し、定款で株式を譲渡するには会社の承認を要する旨(譲渡制限)を定めることもできます(会社法第107条)。
例えば定款に「当会社の株式を譲渡するには株主総会の承認を要する」と規定することができます。
不特定多数の株主の参加を予定していない大部分の中小企業は上記のような規定がされているかと思います。
株式の譲渡制限については、会社の登記事項証明書(登記簿謄本)にも記載されます。
なお、定款を変更すれば、譲渡制限を定めることも廃止することも可能です。
有限会社の場合は、
「当会社の株式を譲渡により取得することについて当会社の承認を要する。
当会社の株主が当会社の株式を譲渡により取得する場合においては当会社が承認をしたものとみなす。」
と定款に定められているものとみなされています(※平成17年整備法第9条第1項)。
※会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律
また、上記と異なるような定款の変更をすることはできません(平成17年整備法第9条第2項)。
ですので、有限会社の株式の譲渡については、
株主ではない人に譲渡する場合には、会社の承認が必要、
既に株主である人に譲渡する場合には、会社の承認は不要、
ということになります。
会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律
第九条 特例有限会社の定款には、その発行する全部の株式の内容として当該株式を譲渡により取得することについて当該特例有限会社の承認を要する旨及び当該特例有限会社の株主が当該株式を譲渡により取得する場合においては当該特例有限会社が会社法第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をしたものとみなす旨の定めがあるものとみなす。
2 特例有限会社は、その発行する全部又は一部の株式の内容として前項の定めと異なる内容の定めを設ける定款の変更をすることができない。