被担保債権の時効消滅
抵当権は、債権を担保するためのものですので、
被担保債権が時効により消滅すれば抵当権も消滅します(民法第167条1項)。
民法第167条1項
債権は、十年間行使しないときは、消滅する。
抵当権自体の時効消滅
抵当権そのものも時効によって消滅することがあります。
この場合は、抵当権のみ消滅しますが、被担保債権は存続しています。
ただし、民法第396条で
「抵当権は、債務者及び抵当権設定者に対しては、その担保する債権と同時でなければ、時効によって消滅しない。」
と定められていることから、
債務者や抵当権設定者に対する関係では、
抵当権だけが時効消滅しません。
それ以外の第三者、例えば不動産の第三取得者や、後順位抵当権者に対する関係では、
20年の消滅時効にかかります(民法第167条2項)。
したがって、不動産の第三取得者(抵当権設定者から不動産を購入した人や贈与を受けた人)は、抵当権自体の消滅時効を援用することができます。
なお、不動産の第三取得者には抵当権設定者から相続によって包括承継した人は含まれません。
民法第167条2項
債権又は所有権以外の財産権は、二十年間行使しないときは、消滅する。