会社の事業目的は、将来やるかもしれない事業も含めてたくさん書いておいてよいですか?
たつの市でIT関係の会社を設立しようと準備を進めています。当面のメイン事業はシステム開発ですが、将来的には地元でカフェの経営や、不動産の賃貸業などもやってみたいと考えています。
会社を設立する際、定款の「目的」に、今すぐには始めない事業をたくさん書いておいても法律上問題ないのでしょうか?
結論から申し上げますと、将来おこなう予定の事業を、設立時の定款(会社のルールブック)に記載しておくことは法律上まったく問題ありません。
会社は、定款に記載されている「目的」の範囲内でしか活動できないという原則があります。しかし、「設立後すぐに始めなければならない」というルールはないため、将来の構想も含めて記載しておく起業家の方は非常に多くいらっしゃいます。
むしろ、後から事業を追加する手間と費用を省けるという大きなメリットがあります。
将来の事業を記載しておくメリット:変更費用の節約
もし設立時に「システム開発」しか記載しておらず、数年後に「カフェ経営」を始めようとした場合、定款の目的を変更する手続き(目的変更登記)が必要になります。
この目的変更の登記には、法務局へ納める登録免許税が最低でも3万円かかります(司法書士にご依頼いただく場合は、別途報酬も発生します)。
設立時に、将来見込まれる事業をあらかじめ記載しておけば、この将来の「3万円+手間」を節約することができます。そのため、将来展開する可能性が少しでもある事業は、設立時に盛り込んでおくことをおすすめします。
たくさん書く際の2つの注意点
ただし、思いつくままに無制限に書いてよいかというと、実務上は以下の点に気をつける必要があります。
💡 事業目的を記載する際の注意点
- ① 信用や融資への悪影響を避ける
会社の登記簿謄本は誰でも取得して見ることができます。全く関連性のない事業(IT、飲食、不動産、アパレル、農業など)が何十個も羅列されていると、取引先の企業や、融資を審査する金融機関から「結局、何の本業で稼ごうとしている会社なのか分からない」と不審に思われ、信用を落とす原因になりかねません。一般的には、本業を中心に関連事業を含めて10個前後に収めるのが見栄えが良いとされています。 - ② 「許認可」が必要な事業は書き方に注意する
将来的にカフェ(飲食店営業許可)や、不動産賃貸・売買(宅地建物取引業の免許)、中古品の買取(古物商許可)などを行う場合、役所の許認可が必要になります。
この際、役所から「定款の目的に、特定の文言が入っていること」を条件とされるケースが多々あります。自己流の言葉で書いてしまうと、いざ事業を始めるときに許認可が下りず、結局「目的変更登記(3万円)」をやり直す羽目になるため、事前の確認が必須です。
まとめ:最後の項目に「魔法の言葉」を入れる
事業目的の最後には、必ず「前各号に附帯関連する一切の事業」という項目を入れるのがセオリーです。これを最後に入れておくことで、記載したメイン事業に付随するちょっとした業務であれば、わざわざ目的変更登記をしなくてもカバーできるようになります。
会社の「顔」とも言える事業目的は、将来のビジネス展開と、対外的な信用のバランスを取りながら決めることが重要です。特に許認可が絡む事業をお考えの場合は、専門的な判断が必要になります。
たつの市、揖保郡太子町、相生市、姫路市周辺で会社設立をご検討中の方は、事業目的の適切な書き方からサポートいたしますので、ぜひ当事務所にご相談ください。

