【相談事例】取締役は自分1名だけでも、株式会社を設立できるのでしょうか?

この記事は約10分で読めます。

取締役は自分1名だけでも、株式会社を設立できるのでしょうか?

独立して事業を始めようと考えています。最初は他の人を入れず、自分一人で資本金を出し、自分一人で経営をすべて行いたいと思っています。
昔、「株式会社を作るには取締役が3人必要」と聞いた記憶があるのですが、現在は自分1名だけでも株式会社を設立できるのでしょうか?

ご相談者:姫路市飾磨区にて独立開業予定の方

司法書士からの回答・解説

結論から申し上げますと、現在の法律では「出資者(株主)がご自身1名、かつ取締役もご自身1名のみ」の、完全な1人(ひとり)株式会社を設立することが可能です。

ご相談者様がおっしゃる通り、以前(平成18年4月以前)の法律では、株式会社を設立するには「取締役3名以上、監査役1名以上」という厳しい人数の条件がありました。しかし、会社法という法律が新しくなってからはルールが大きく緩和され、誰でも起業しやすい環境が整えられています。

取締役1名で設立するための「条件」とは?

自分1名だけで株式会社を作るには、設立する会社が「非公開会社」である必要があります。
非公開会社とは、会社の株式を誰かに譲り渡す際に、会社の承認(許可)を必要とするルール(株式譲渡制限規定)を設けている会社のことです。

「自分一人で設立して経営していく」という中小企業や個人事業からの法人成りの場合、知らない間に見知らぬ人が株主になることを防ぐため、ほぼ100%この「非公開会社」として設立します。したがって、条件といっても特別なハードルがあるわけではありません。

1人会社(取締役1名)のメリット

  • 意思決定がスピーディー:他の役員との会議が不要なため、社長の判断で即座に事業を進められます。
  • 人間関係のトラブルがない:経営方針を巡って他の役員と対立するリスクがありません。
  • 手続きやコストが最小限:役員が多いと任期ごとの登記費用や役員報酬がかさみますが、1人ならその負担を抑えられます。

知っておくべきデメリット・注意点

  • 社長に万が一のことがあった場合:社長が病気や事故で倒れたりお亡くなりになったりした場合、代わりの責任者がいないため、会社の銀行口座が凍結されるなど、事業が一時的にストップする大きなリスクがあります。
  • 相談相手が社内にいない:経営上の重要な決断を、すべて一人で抱え込むことになります。

💡 司法書士からのアドバイス:無理に名義だけの人を入れない

「とりあえず体裁を整えるために」と、実態を伴わない家族や友人を名義だけの取締役にしてしまうのはおすすめしません。
名義だけでも取締役になれば、会社に対して法的な責任(損害賠償責任など)を負う可能性があり、後々大きなトラブルに発展することがあるからです。

最初はご自身1名の「1人株式会社」としてスタートし、事業が拡大して本当に信頼できるパートナーが見つかった段階で、後から取締役を追加する(役員変更登記を行う)のが、最も安全でスムーズな進め方です。

「自分一人で始める場合、定款(会社のルールブック)はどう書けばいいの?」
「資本金はいくらくらいに設定するのが適切?」

お一人での起業だからこそ、設立時の不安や疑問は専門家と一緒にクリアにしていきましょう。姫路市、揖保郡太子町、たつの市、相生市周辺での会社設立・法人登記のお手続きは、ぜひ当事務所にご相談ください。お客様の状況に合わせた最適な設立プランをご提案いたします。

タイトルとURLをコピーしました