【相談事例】株式会社と合同会社、うちのビジネスモデルではどちらで設立すべき?

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【ご相談者様】
兵庫県 揖保郡太子町在住(30代)

友人2人と一緒に、IT系のシステム開発とWebデザインを行う会社を設立しようと計画しています。
なるべく初期費用を抑えてスタートさせたいという気持ちがある一方で、将来的には地元の企業様との取引(BtoB)を拡大していきたいという目標もあります。
ネットで調べると「合同会社」は安く設立できるとありますが、私たちのビジネスモデルの場合、一般的な「株式会社」とどちらを選ぶのが正解なのでしょうか?迷っています。

司法書士からの回答・解説

会社設立にあたり、最初の形態選びは非常に重要ですね。結論から申し上げますと、「将来的に企業間取引(BtoB)を拡大したい」という目標があるのであれば、株式会社での設立をおすすめするケースが多いです。

しかし、合同会社にも「設立費用が安い」という大きな魅力があります。まずは、それぞれの特徴とメリット・デメリットを分かりやすく比較してみましょう。

1. 株式会社と合同会社の主な違い

項目 株式会社 合同会社
設立費用(法定費用) 約18万円〜
(定款認証代+登録免許税など)
約6万円〜
(登録免許税のみ。定款認証は不要)
社会的信用・認知度 非常に高い。
企業間取引でも安心されやすい。
株式会社に比べると少し劣る。
(近年は徐々に認知度が向上中)
意思決定のスピード 出資比率(株の持ち分)による。
株主総会などの手続きが必要。
出資者全員の同意が原則。
内部ルールを自由に決めやすくスピーディ。
利益の配分 出資した金額(株数)に応じて配分。 出資額に関わらず、貢献度などで自由に配分可能。

※上記費用は電子定款を利用した場合の目安です。紙の定款の場合は別途印紙代4万円がかかります。別途、司法書士報酬がかかります。

2. 今回のビジネスモデルに当てはめて考えると…

ご相談者様の場合、主なターゲットが「地元の企業様(BtoB)」とのことですね。企業間取引においては、まだまだ「株式会社の方が安心・信用できる」というイメージを持たれることが多いのが実情です。
もし、取引先の新規開拓や、将来的な事業拡大に向けた銀行からの融資などを視野に入れているのであれば、初期費用が少し高くなっても「株式会社」を選んでおいた方が、後々のビジネスがスムーズに進む可能性が高いです。

一方で、取引先が一般の消費者(BtoC)メインであったり、最初は仲間内だけで小さく始めて当面は身の丈に合った経営をしたい、ということであれば「合同会社」は非常に合理的な選択肢となります。

具体的な解決策・手続きのポイント

ご友人2人と一緒に会社を立ち上げる場合、さらに注意すべき点があります。
それは「出資の割合(誰がいくらお金を出すか)」と「意思決定のルール」です。

  • 株式会社の場合: お金を多く出した人(株を多く持つ人)に強い決定権があります。
  • 合同会社の場合: 原則としてお金を出した人全員が経営者となり、1人1票の決定権を持ちます。

「友人同士の起業」は、将来的に経営方針で意見が割れた際にトラブルになりやすいというリスクもあります。どちらの形態を選ぶにせよ、あらかじめ「定款(会社のルールブック)」において、代表者の権限や利益の分け方などをしっかりと定めておくことが重要です。

【一つの解決策:後から変更も可能】
どうしても初期費用を抑えたい場合、まずは「合同会社」として小さくスタートし、事業が軌道に乗って企業間取引が増えてきたタイミングで、株式会社へ「組織変更」するという法的手続きも可能です。状況に合わせて柔軟に考えるのも一つの手です。ただし、組織変更する場合は、最初から株式会社を作るよりもトータルのコストは高くつく可能性があります。

会社設立の形態選びは、今後のビジネスの方向性を左右します。

「自分たちの事業にはどちらが合っているか?」「定款にはどう書けばトラブルを防げるか?」など、ご不明な点がございましたら、お気軽に当事務所にご相談ください。
地域の起業家様のスムーズなスタートを、法的な専門知識でサポートいたします。

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