資本金の払い込みは、いつ、誰の口座に、どのように振り込めばよいですか?ネット銀行でも大丈夫でしょうか?
株式会社の設立を準備しています。発起人は私1人で、定款(会社のルールブック)の原案ができました。
いよいよ資本金を用意したいのですが、まだ会社名義の口座がありません。誰の口座に、いつのタイミングで入れればいいのでしょうか?
実は、出資予定額以上の残高がすでに個人の口座に入っているのですが、そのままではダメだと聞きました。
また、普段使っているのがネット銀行で紙の通帳がありません。どうやって証明すればよいでしょうか?
会社設立において、「資本金が間違いなく用意されたこと」を証明する手続きは非常に重要です。この手順を間違えると、登記申請が通らず設立日が遅れてしまう原因になります。
結論から申し上げますと、資本金は「発起人(出資者)」個人の口座へ、「定款の作成日」以降に、新たに振込または預入をして履歴を残す必要があります。ネット銀行の口座でも全く問題ありません。
具体的な法務局のルールと、間違いのない確実な手順を分かりやすく解説します。
資本金払い込みの3つの厳格なルール
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いつ? = 「定款の作成日」以降に
資本金の払い込みは、会社設立の基本ルールである「定款」の内容(商号や事業目的、資本金の額など)が決まり、発起人(出資者)が定款に合意して作成した日(定款に記名押印、または電子署名をした日)以降に行う必要があります。
よく「公証役場で定款の認証を受けてからでないと振り込めない」と勘違いされがちですが、実務上は定款の作成日以降であれば、公証人の認証を受ける前であっても問題ありません。
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誰の口座に? = 出資者(発起人)個人の口座へ
設立登記が完了するまで「会社名義の口座」は作れません。そのため、お金を出す人(発起人)個人の口座を使います。
ご相談者のように発起人が1人の場合は、ご自身の個人口座を使います。出資者が複数いる場合は、代表者1名を決めて、その代表者の口座に他の全員が振り込みます。この手続きのために新しく口座を作る必要はなく、普段使っている生活費などの普通預金口座をそのまま利用して構いません。
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どのように? = 新たに「振込」か「預入」をして履歴を残す
ここが最も間違いやすいポイントです。すでに口座に資本金額以上の残高があったとしても、そのままでは「会社のために出資したお金」かどうかが客観的に分かりません。
必ず「誰が、いつ、いくら出資したか」を通帳に新しく印字させる必要があります。
【重要】すでに残高がある場合の対応方法出資予定額以上の残高がある場合でも、以下のいずれかの方法で新たな履歴を作ってください。
① 自分の「別の銀行口座」から、払い込み用口座へ出資金を「振込」する。
② 一度、出資金分の現金をATM等で引き出し、再度そのまま口座へ「預入(入金)」する。
ネット銀行(紙の通帳がない銀行)の場合の証明方法
最近は、店舗や紙の通帳を持たないネット銀行(楽天銀行、住信SBIネット銀行、PayPay銀行など)をご利用の方も多くいらっしゃいます。法務局の登記実務において、ネット銀行の口座も資本金の払い込み口座として問題なく使用できます。
紙の通帳がない場合は、以下の情報がすべて確認できる「WEB画面(ログイン後の入出金明細画面など)」をプリントアウト(印刷)して、それを「通帳のコピー」の代わりとして法務局へ提出します。
印刷するWEB画面で必須となる4つの項目
以下の項目が印刷された画面上にすべて表示されているか、必ず確認してください。1つの画面に収まらない場合は、複数画面を印刷して提出しても大丈夫です。
- 金融機関名(銀行名)・支店名
- 口座の種別(普通など)と口座番号
- 口座名義人(発起人代表の氏名)
- 定款作成日以降の、資本金の振込(または預入)が確認できる明細(日付・金額・氏名)
払い込みが終わった後の手続き
無事に通帳への記帳、またはWEB明細の印刷が終わったら、そのコピーと「払込を証する書面(払込証明書)」という会社の書類を作成し、ホッチキスで一つにまとめます。そこに設立する会社の実印(代表者印)で契印(割印)をすることで、法務局へ提出する「資本金証明」の書類が完成します。
「定款作成日と振込の日付が逆になってしまった」
「ネット銀行のどの画面を印刷すればいいか不安だ」
資本金の払い込み手続きに不備があると、法務局での登記審査が通らず、希望していた設立日に会社を作れない可能性があります。
姫路市、揖保郡太子町、たつの市、相生市周辺で会社設立をご検討中の方は、スムーズで確実な手続きをサポートする当事務所にぜひご相談ください。

