10代の未成年者でも、発起人(出資者)や取締役になって会社を設立することはできますか?
高校生(16歳)の息子が、自作のアプリやWebサービスを提供するITビジネスで起業したいと言っています。親としては本人の挑戦を応援したいので、必要な資金の支援や協力はするつもりです。
ただ、息子本人が社長(代表取締役)となり、会社の株主(発起人)にもなりたいようなのですが、未成年でも会社を設立することは法的に可能なのでしょうか?
ご息子の起業への挑戦、素晴らしいですね。結論から申し上げますと、10代の未成年者であっても、発起人(出資者)や取締役(社長)になって会社を設立することは可能です。
会社法上、発起人や取締役になるための年齢制限は設けられていません。ただし、手続きを行うご本人の「年齢」によって、親権者(ご両親など)の同意の要否や、必要な書類が大きく変わってきます。
ご本人の「年齢別」のルールと手続きの違い
2022年4月の民法改正により、成年年齢が20歳から「18歳」に引き下げられました。これに加え、手続きに必須となる「印鑑登録」ができる年齢が関わってきます。大きく分けて以下の3つのパターンがあります。
18歳・19歳の場合
現在は18歳以上であれば「成年(大人)」として扱われます。
そのため、親権者の同意は一切不要です。大人と同じように、ご本人の実印と印鑑証明書を用意するだけで、単独で会社設立の手続きが可能です。
15歳〜17歳(未成年)の場合
今回のご相談(16歳)のケースです。未成年であるため、法律行為を行うには親権者(原則として両親とも)の同意が必要です。
また、各市区町村では15歳以上であれば「印鑑登録」ができるため、ご本人の印鑑証明書を発行して社長(代表取締役)になることが可能です。
※15歳未満(中学生以下)の場合:
市区町村で本人の印鑑登録ができないため、個人の実印と印鑑証明書が必要となる「代表取締役」に就任することは、実務上極めて困難です(発起人になること自体は親権者の代理により可能です)。
15歳〜17歳の方が社長になるために必要な書類
15歳以上18歳未満の方が、発起人(株主)および代表取締役として会社を設立する場合、通常の大人よりも以下の書類が多く必要になります。
未成年者の会社設立で追加で必要となる主な書類
- 親権者の同意書: 会社設立や役員就任に同意する旨を記載し、親権者(ご両親)の実印を押印したもの。
- 親権者の印鑑証明書: 同意書に押印した実印を証明するためのもの。
- ご本人の戸籍謄本: 同意書を書いた人が、間違いなくご本人の親権者であることを証明するためのもの。
- ご本人の印鑑証明書: あらかじめ市区町村役場でご本人の印鑑登録を行っておく必要があります。
※ご本人が発起人のみになるか、取締役にもなるかによって、定款認証や登記申請で必要となる書類の枚数や形式が細かく異なります。
会社設立後の「銀行口座」にも注意が必要です
法的な手続き(法務局での登記)は親権者の同意等があればクリアできますが、実務面での大きな壁となるのが「法人口座の開設」です。
マネーロンダリング対策などで銀行の口座開設審査は年々厳しくなっています。代表取締役が未成年者の場合、「親権者の同意書」の提出を追加で求められたり、場合によっては審査が通りにくくなったりする金融機関もあります。
事前にメインバンクにしたい金融機関(地方銀行や信用金庫、ネット銀行など)へ、未成年社長の口座開設に必要な条件をヒアリングしておくことをおすすめします。
「息子の起業を法的にしっかりサポートしてあげたい」
「未成年の設立手続きは複雑そうなので専門家に任せたい」
未成年者が関わる会社設立は、同意書の作成や必要書類の収集など、通常よりも専門的な判断が必要となります。
姫路市広畑区、網干区、飾磨区をはじめ、たつの市、相生市、太子町周辺で会社設立をご検討中の方は、スムーズで確実な手続きをサポートする当事務所にぜひご相談ください。

